研究内容詳細
呉欽華
京都大学公共政策大学院 特定研究員
主な研究テーマ
「The Asymmetry of Agglomeration Spillovers: An Application of Directional Spatial Weight Matrix in the context of Japan's regional economy」
「Structural Stability of Regional Attractiveness: A Case Study of Japan」
「Regional Specialization and Migration Decisions of Unskilled Labor: The Case of Japanese High School Graduates」
三つの研究は日本の地域発展のアンバランス問題を中心に行っている。空間スピルオーバーが地域発展に与える影響を分析するため、異なる空間計量モデルを構築した。研究では、集積経済における非対称的な波及効果、国内移民および地域の魅力に関する空間的波及効果、さらに地域特化型経済が高校新卒就職者の移動決定に与える波及効果を対象としている。
石田恭明
京都大学大学院 地球環境学舎 博士後期課程
地域再エネ共同研究プロジェクトRF(リサーチフェロー)
日本では、環境への配慮や持続可能な地域の形成、災害へのレジリエンス向上等を目的とし、エネルギー転換に取り組んでいる。生活のみならず、産業の維持・発展といった観点からも、自国で得られる変動費の低いエネルギーへの転換は重要な課題である。
エネルギーは、その供給システムも含めると、公共財的性質を含むサービスである。そして、日本では電力市場を全面自由化し、その中でサービスの改善・充実を目指している。どのような電力市場設計が、長く続いていく人々の生活を守り、より豊かにしていくのか、主にミクロ経済理論・産業組織論の観点から示していく。また電力サービス等の計量的分析も行い、実装に向けた具体的な議論にも取り組んでいる。
地域再エネ研リサーチフェローとしては、同時市場の議論や、洋上風力発電事業支援としての容量市場活用等を中心に、電力システム改革に関する情報のサーベイにも取り組む。経済理論的観点からの整理も行い、その方向性についてより活発な議論を行う土壌を整えたい。
関連する論文等
石田恭明 (2024)「マサチューセッツ州における電力小売と再生可能エネルギー導入に関する調査研究 - 自治体アグリゲーションと電力小売市場の関係性に着目して -」,『再生可能エネルギー経済学講座 ディスカッションペーパー』, No.54, 2024年2月
石田恭明(2024)「自治体アグリゲーションと電力小売市場の協調」,『再生可能エネルギー経済学講座 ディスカッションペーパー』, No.56, 2024年3月
工藤大樹
京都大学大学院 経済学研究科
地域再エネ共同研究プロジェクトRF(リサーチフェロー)
日本において再エネ導入や脱炭素化による地域経済振興が注目を集めている一方で、欧米を中心とした国外では、それらの取り組みが住民の追い出しや分断につながっており、社会的平等や包摂を欠いていることが指摘されている。現代の環境政策の背景にある「持続可能な発展」概念は「環境」「経済」「社会」の3つの柱から成るものであり、それぞれが損なわれない都市・地域のあり方について、主にドイツと日本に着目して研究に取り組んでいる。
リサーチフェローとしては地域脱炭素化と環境省「脱炭素先行地域」の事後検証をおこなう。国外の事例を踏まえながら、日本における地域脱炭素化の課題を明らかにしたい。
工藤大樹(2024)「都市間競争を背景としたGreen Place Brandingに関する考察 -ドイツ・フライブルク市における事例調査から-」, 『再生可能エネルギー経済学講座ディスカッションペーパー』, No.57, 2024年3月